Contents
台風一過で今日は天気がいい。
撮影にはもってこいかと思ったが雲だらけでうまくいかない。最近はずっとそうだ。空の様子だけ見てご飯を食べに出ている。午前1:00だ。国道をチャリで走る。ここのところ気候が良く走りやすい。国道は広く深夜のトラックさえ気をつければ車道が走りやすくなる。
台風一過で今日は天気がいい。撮影にはもってこいかと思ったが雲だらけでうまくいかない。最近はずっとそうだ。空の様子だけ見てご飯を食べに出ている。午前1:00だ。国道をチャリで走る。ここのところ気候が良く走りやすい。国道は広く深夜のトラックさえ気をつければ車道が走りやすくなる。
街灯は多く深夜なのに空は明るく見える。雲の動きまでしっかりみえる。都会の夜は不思議だ。不自然に明るく、同時に妙な独特の不気味さを抱えている。人の目では暗闇だとあまり役に立たない。多くの動物がそうであるから秋の虫たちが騒いでいるのがよく聞こえるものだ。
バッタたちはこの時期に色が変わり夏の緑から衣替えをする。茶色になり子孫を残し死んでいく。そんな求愛の大合唱が国道にはない。
あるのは街灯とトラックのヘッドライト、テールランプ、反射してみえる道路標識、センターライン、深夜の飲食店の看板、聞こえるのは行き交う車の音、時々聞こえるネオンのジジジという音。自然の音の割合が少なくなる。
木の間を通るとき蜘蛛の巣にかかりやすくなるのは決まって夜だがそんな心配は全くない。無感情で無機質な夜がそこにある。
どちらがいい悪いという話ではなくてただ自分が子供の時住んでいた田舎道とは対照的だ。
時間が経っていて変化していくのを感じている。なんだか不思議な感覚でもあるが、ご飯や行っても食券を買い、コンビニ店員も機械みたいな一礼をする。ふざけた失礼な店員は消え、誰もが幅が小さくなっているのを肌で感じる。夜の街は少し緊張感がまし気温も下がる。
そんなことに少しの寂しさを覚える僕は何か変なものを探したくなる。国道に飽きた僕は脇道に入って落ち着いて走る事にした。狭い小道は自然とスピードが落ち、道を一本それれば畑ばかりになる。途端に静けさがまし、トラックが国道を走っている音が遠ざかっていく。墓地が並ぶようになり街灯が少なくなっていく。
そんな帰りの途中。何か変わった様子の人がいる。誰かに向かって手を振っている。あたりを見回してみる。誰もいない。ペットを連れて散歩をしてるようには見えない。中年男性が何か言っている。僕しかいない。車のライトも動物も見えない。なんだろう。間違いない。僕に声をかけているようだ。近くに寄ってみると
と手を振っている。
不思議な空気が流れる。嫌な感じは全くしなくて僕もついうっかり
バイバイ
と返した。
真夜中に起こった不思議な出会いだ。完全にビビっていた僕はあっけにとられつい笑ってしまった。はたから見れば完全に僕の方が様子がおかしい人に見えただろう。ただ不思議とゆったりとした、穏やかな空気の夜がそこにあった。
Kazunori O
songs released
以下のサイトで視聴、購入できます。
youtube, Spotify, youtube music premium, iTunes, google play, apple musicなど
https://www.tunecore.co.jp/artist?id=201705#r384748