Look for an alien walk around the neighborhood 2 宇宙人を探して近所を散策2[:][:ja]未確認生物発見の為、現在パトロール中だ。
それにしても深夜ライドは最高だ。
騒がしい喧騒。蝉の鳴き声、閉じた店、いつもは車の音や人の声に気を取られて走ることになるが夜中は気持ちを落ち着けて呼吸や風の音に集中できる。
何も考えなしに家を飛び出せばいつもの街の中でも解放感や自由をいつもより感じることが出来るはずだ。
誰かを呼び止める声。主婦の井戸端会議。スーパーでのレジの開け閉めする時に出る小銭の音。
それらは今何も聞こえない。
夜はいつだって静かだ。蝉を含め昼間生き物の音は決まって大きい。
対照的に夜なく鈴虫なんかはもう少し穏やかだ。
僕の神経は自然といつもある周りの音から自分の感覚や虫の声、自分が漕ぐ自転車のペダルの音。そういったいつもより少ない情報量に集中していった。
いつも不思議に思う事だが。相対的なもので少ない時の方が多く感じるものだ。
今ペダルを漕ぐ音や自分の息遣いがよく聞こえる。
カメラを持って近くの高台を目指した。
あいにくの天気で雲がかっている。どこに月があるのだろうと探しながら走っていく。
ここのところ雨ばかりでカラッと晴れた日が少ない。夏らしい夏をほとんど味わえないまま季節が変わろうとしている。
それは勘弁、夏が一番好きな僕にとってはこれで終わりじゃ1年越せる気がしない。
冬になれば寒くて毎年冬眠したいと心から思うのだ。今活動しておかないと僕は今年何もしないことになる。
と言うわけのわからない理由から僕はこの夏の終わりに月をとることにした。
ただなんの準備もなくレンズも1本だけ、三脚も卓上の三脚をこれでなんとかとってみようと飛び出たものだから、当然1番最初の関門の天気につまずき僕の淡い夏の思い出づくりはずっこけた。
どこにも見当たらない。
上空を飛ぶ飛行機の音は聞こえはするが雲の上にあり見えないのだ。
なんてことだ。
初めから上手くやろうと思ってなんかいない。
なんや感やで小さな月撮れたはいいけど家の電球とってるのと同じじゃない?
みたいなオチならまだしも、そもそも月さえ確認できないとは。
こうして僕の夏の思い出づくりは切なく幕を閉じようとしていた。
あーあとため息まじりにいつも通らない道を散歩ライドすることに切り替えぷらぷらとペダルを漕ぐ。
ここどこらへんかなぁ?
とポケットに手を入れてみる。
ない‥。
ないのだ。
スマホが。
アメリカ人でもないのにこんな時にだけ出てくるオーマイガ。
こんな時にGPSも使えないなんて‥。
でも大丈夫。
こんな時のためのサバイバル術知ってるんだ。
テレビで見たからさ。
とりあえず南西に進んだはずだから、星読みの術使えば方角が分かるはずと思った瞬間気がついた。
オーマイガ。
星が出てないじゃない!
どうしよう‥。
ここはどこだろう?
とりあえず喧騒の巣窟、コンビニを探す。
現代の都会に感謝。
だがなかなか見当たらない。
そんなに遠くまで来てはないはず。
ぐるぐると見たことない道が続く。
どなたかー、どなたかいらっしゃいませんかー?
いつも井戸端会議している主婦はどこいったんじゃい!?
とか思いながら漕ぐこと10分。
こんなにコンビニがない街があるなんて。
団地もあったのにスーパーもコンビニも見当たらないなんて。
ここの人たちは非常用宇宙食で生きてるんですか?
と思っているうちにデイリーヤマザキの看板発見!
やっとあったー。
僕の心に安心の日がついた。
やっとの思い出たどり着きました。
ってあれ?
なんか知ってる。
うちの近所のヤマザキではないか!
と心の安心とは真逆に毒づき、そのままいつもの道を帰る。
僕はただ以前行ったことがあると言うだけの高台を目指し結果見つけられず、その上道に迷い、非難した街は自分の住んでる街だと言うとんでもない失態を犯し、そもそも月は全く見えずととんでもない2、3時間を過ごし帰路についた。
さすがにとくに1人で精神的に疲れたので冷たいコーヒーでも飲もうと自販機にお金を入れて買った。
疲れからかお釣りをとった手から100円玉がポロリ。
いけねいけね。と拾って小銭入れに入れた。
結果は何も出てないけどなんか楽しかったわとなんとなく笑いながら家についた。
ただついて早速気がついた。
買ったコーヒーを持ってないことを。
お釣りを拾って満足してしまったのだ。
なんてことだ。
人は間違いを繰り返す。
ただこんなに1日に繰り返していいものかと我ながら自分の生き方にゾッとした。
ここで今日とった戦利品とでも言おうか収穫をみんなと共有したいと思う。
色々
仕方がなかったので他の被写体を探してまわった結果だ。
月に似たもの‥なんかないかなと思ったところにこれがあった。
ただ僕はこんなリボンをつけた女の子をここ10年以上見ていない。
小さい女の子の象徴はもはや全くの架空の存在に思えて仕方がない。
切ないがこれが今僕の8月下旬の思い出の全てなのだ。
Kazunori O