学校と有刺鉄線

昼休み前の授業が終わりやっと昼食の時間だ。チャイムがなった途端男子学生が一斉に席を立つ。まだ先生の号令、授業の終礼はないがみんな腹をすかしている。と思う。先生の待てという声を背に僕らは食べ物を買いに行く。少しの遅れも許されない。なぜなら購買部の焼きそばパンには限りがあり早い者勝ち制度をとっているのだ。3学年が1つの場所につまり購買に集まる僕の高校では昼食の争奪戦の始まりの合図がこのチャイムなのだ。

しかし校内では今日から学校の窓という窓に有刺鉄線が貼られるようになっている。

理由はクラスメイトから聞いただけで正確な情報かはわからないがどうやら混雑やみんなが急ぎすぎるためゆっくり廊下を歩くように貼られているらしい。

はっきり言ってよくわからない。パツパツに詰まった廊下は有刺鉄線の前だけ空きができている。そりゃそうだ。誰も服は破りたくないし、怪我だってしたくない。そのため購買部に行くのに大行列の大渋滞を起こしている。仕方ない。すり抜けていくためには窓際を行くしかない。幸い僕らは運動部で体力だけに自信がある僕らは猿や何かみたいに窓際をこう、うまくは言葉にできないが有刺鉄線を避けながらサーカスみたいに窓をつたって行くことにした。

これで大渋滞は避けられたもののやはり時間はかかる。購買で焼きそばパンと焼うどんという運動部にありがちな炭水化物の組み合わせに決めた僕は元来た道を一目散だ。教室に戻って食事をしようとすると昼食の時間を終えるチャイムがなった。もはや関係ない。学校が勝手に作った誰も望みもしない有刺鉄線で怪我をするものもご飯にありつけない者。そんな多くの苛立ちが教室じゅうに充満しているのを感じる。みんな優等生(?)で口にはしない者がほとんどだ。そんな中数学のまさ先生がやってきて『昼食の時間は終わりだぞー』といつもの調子で僕に言う。こんな時いつもなぜか目の敵と言うか真っ先に注意される僕は理不尽で仕方のないルールを押し付ける学校に腹が減ってるのも手助けし席をたって机をひっくり返した。これを日本では必殺ちゃぶ台返しと言う。

そのまま教室を出ようとするが先生は僕の名前を後ろから呼ぶ。『おい、どこへ行くんだ?』『ランチ』とすかさず答える。『先生…俺』うまく言葉が続かない。あほらしいやらなぜこんなとこにいなきゃいけなくてよくわからないルールを押し付けられいるのか、悔しいやら情けないやらで言葉が続かない。そのまま教室をあとにした。外のいつものカツ丼やのおばさんのとこに行こうと思った。あそこなら受け入れてくれる。部活で怪我をしてうまくいかない時、僕はいつもここに行く。おばさんとは知った中だが僕はいつも何もいうことはない。ただ僕はそこにいるだけでホッとし安心できるからだ。

と思ったところで目が覚めた。

なんて夢だ。

嫌な汗をかいた。

嫌な気持ちで唇を噛むとなんとさらにびっくりすることに小学生の時に飼育小屋で飼っていたうさぎみたいな味がした。

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